< 2020年8月号 >
特集/推進工事の施工管理における工程・品質・安全 |
総論:国土交通省、(公社)日本推進技術協会
解説:アースナビ推進工法協会、機動建設工業(株)、(株)協和エクシオ、サン・シールド(株)、地建興業(株)、(株)福田組、りんかい日産建設(株) ほか
連載:巻頭言/今月の推論/随筆/ゆうぞうさんの山紀行/会報/その他
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特集/都市地下基盤の再構築(3)
10月号〜12月号は、3号続けて「都市地下基盤の再構築」を特集しています。ご承知のように国の来年度予算は、概算要求を大幅に見直す方向で検討がなされており、特に下水道予算は概算要求段階で11%減になり、事業仕分けでは財源が地方移管になるようです。決定ではないようですが、いずれにしても未普及エリアの下水道事業は大幅に縮減されることになりそうで、新規管路設置である下水管推進工法は急減する可能性があります。
推進工法の技術は、下水道整備における大量の施工延長で支えられ、発展してきました。一方で、推進技術の下水道以外の他の管路建設分野へも積極的に採用されつつあります。パイプルーフを代表とする都市の地下空間建設のための補助工法としても順調に増加しているようです。しかしながら、これらは、下水道推進工法の応用技術として評価されており、中心になる機関がはっきりしないこともあって技術的体系があいまいになっている気がします。
下水道関連事業の先行きが見通せない今、推進業界としては、下水道以外の分野への活用方法を探ることが急務です。条件が異なれば検討すべき事項も変ってきます。
今回3回にわたり取り上げました、従来の下水道管路以外の推進工法の事例を参考に、推進関連業者や技術者が活躍するには今後どのような方向に進むべきか、どのような技術を整備すべきかを探ってみたいと思います。このほかにも多数の事例があると思いますので、今後情報を収集し、新規の分野への展開を探る一助になればと思います。
(編集担当:平井正哉)
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特集/都市地下基盤の再構築(2)
前号は、都市地下基盤の再構築として、推進工法を用いた地下空間築造技術を紹介しました。推進工法が管路築造以外においても多様な分野で利用されていることの一端が紹介できました。しかし、都市地下基盤の再構築に活躍する適用例はとても1回では報告できません。今月号も引き続き推進工法による都市地下基盤構築技術を特集させて頂ました。
この30年、莫大な工事量で推進需要を支えた下水道の管路建設事業が、推進技術を進化させてきました。しかし現在下水道管路建設事業は成熟期にあり、新規の管路敷設は、国内では今後徐々に減少していくことが予想されます。当然、かつて整備された管路の老朽化進行で、管路更新需要は急速に増加しており、推進技術での管路更新が必要とされている状況です。昨今では管路の再構築に利用される推進技術も多くあります。しかし、下水道の管路建設事業で発展した推進技術は、優れた地下掘削技術でもあります。下水道管路以外の築造にも多いに利用されるべきであり、そのことを考えている推進技術者は少なくないでしょう。
本特集に対して、推進技術の都市地下基盤構築の有効利用を図った施工報告、技術紹介が多く寄せられることは、推進技術の適用範囲が広いこと、また適用のための取組みが活発であることの証拠です。そしてその新たな適用への取組みがさらに推進技術を進化させると考えます。本特集の技術報告等も、新たな推進技術の需要発掘、適用拡大への手掛かりになる内容となっています。今後の社会資本整備に多いに貢献できる推進技術をぜひご一読ください。
(編集担当:佐藤 徹)
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特集/都市地下基盤の再構築(1)
わが国は、地下空間に様々な非開削技術の融合で生活基盤の充実に寄与するインフラ整備を実施してきました。地下空間非開削築造技術の主流であるトンネルにおいても莫大な施工が実施され、推進工法は下水道を中心とする管路を築造するトンネル技術として主に利用されてきました。
現在でも都市部では人口が増加し、今後も都市機能の充実が求められている昨今の状況から、地下空間利用は増加する傾向にあると予想されます。しかし、都市の地下基盤は、既存の地下構造物が複雑に輻輳しており、精度よく多様な方向へ掘削することが求められ、さらに近接する既設構造物への掘削の影響を少なくすることが求められています。
工法の初期段階では、水平掘削が主流であった推進工法も、現在では様々な管路施工をターゲットとして改良を重ねた結果、地下空間を上下左右あらゆる方向に、曲線を交えた線形も掘削することが可能となっています。精度の高い掘削方向制御技術も下水道管路築造で培われてきました。また土質の適用範囲も大きく広がり、掘削による周辺に対する影響が少なくなる施工方法が開発されています。掘削断面については、小口径100mmから大口径4000mmまで施工でき、円形に限らず矩形等の掘削が可能です。
前述したように推進工法は、都市の地下基盤構築に利用できる条件が整っている技術です。さらにそれらの様々な形状の推進を組み合わせることで、多様な非開削施工が可能となる推進工法は、様々な地下インフラへの利用が期待できます。今後の地下基盤の構築工法は、これらの進化した推進工法や推進工法と他工法との融合により、より確実な地下空間形成のための技術として発展を続けることが期待され、推進工法による地下基盤の構築は、今後の社会資本整備に多いに貢献できるものです。
そこで今月号は、「都市地下基盤の再構築に活躍する」とし、昨今の都市地下基盤インフラの施工例とともに、推進工法の多様な活用方法とその評価などについて報告いただき、推進工法による今後の地下基盤の構築の方向性を考察する特集と致します。
(編集担当:佐藤 徹)
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特集/技術の伝承 第三世代の技術者の担い手の育成
今月号の特集テーマは、推進技術分野における技術継承の現状と将来展望です。
我が国の推進技術は、1948年(昭和23年)に誕生し、早、60年を経過しました。と言うよりも、わずか60年間の歩みで、今日の世界に冠たる最高級の推進技術までに進化した、と言うべきでしょう。60年前、口径600mmの鋳鉄管をわずか距離6m、手堀りと手漕ぎジャッキで押し込んだ生まれたばかりの推進技術が、今日、優に1スパン1km超す長距離推進、Sカーブはおろか複合カーブもこなす曲線推進まで、我が国の推進技術は進化しました。この技術進化は、推進技術の向上に挑んだ多くの先人技術者達、彼らが積み重ねた数多くの失敗と弛まぬ努力の結晶に他なりません。ひとつ一つの技術継承の縦の連なりと関連技術の横の連携が、今日、我が国の推進技術を崇高なる頂きに導いた、と言えます。
さて、これから先、日本の推進技術はどうなるでしょうか。これまでの60年間、各種の掘進技術を開拓した前半を第一世代、それらの技術を磨き、洗煉化させ適用範囲を飛躍的に拡げた後半を第二世代とすれば、これからの第三世代はどうなるのでしょうか。
第三世代の推進技術が活躍する市場は、下水道事業で言えば“下水道再構築”の世界です。ここでは、老朽管への対処や機能向上を目指した下水道管渠の入替、再構築を、非開削の推進工法で如何に確実になし得るか、が最大の課題です。それに加え、環境への配慮や施工コストの縮減など、多くの課題が山積しています。これらに挑戦する際、最強の武器は、これまでの技術の集積でしかありません。
本号では、管材メーカ、設計コンサルタント、資器材メーカ、推進施工企業など、推進技術に関連する様々な分野での技術継承の現状と将来展望を報告します。
(編集担当:稲葉 富男)
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特集/都市地下基盤の再構築(2)
今月号の特集テーマの狙いは、全国の推進工事現場で活躍する「推進工事技士」有資格者の活動状況を通じ、推進工事技士制度の意義や工事技士の使命、役割を確認していただくことです。
現在(平成21年度)、「推進工事技士」の有資格登録者は10,886名となりました。平成4年度から資格制度ですが、今日なお、毎年500名前後の新規試験合格者が有資格者として登録され、全国の有資格者数は着実に増えています。
この背景には、平成17年4月、「公共工事の品質確保の促進に関する法律(いわゆる品確法)」の施行があります。公共事業で執行される下水道管渠推進工事などで、発注者側が安全かつ良質な施工管理、完成物を求める手段として、推進工事技士の義務づけ、ないしは奨励する傾向が強まっていることがあります。一般の土木工事での施工管理は、通常、目視で確認しながら行えますが、推進工事で最も重要な切羽の安定確認は、目視はできず、全て各種計測データでの状況把握となり、しかも掘進機の運転操作も遠隔となります。ましてや、小口径管推進では、管内(坑内)に全く立ち入ることができない状況で実施されます。それ故、推進工事の適正な施工管理には、通常の土木の施工管理技術に加え、推進技術固有の専門的な技能、知識が求められます。それらを備えた技術者が推進工事技士となります。
さて、本号では、工事発注者側から推進工事技士の意義、その活用状況と評価、推進工事技士自身から資格者としての自負と推進工事にかける意欲、施工現場での活躍状況などを幅広く報告いただきます。さらに、推進工事技士制度の解説と資格取得を目指す方々へのガイダンスも加えました。
推進工事の更なる品質向上を目指す発注者、施工技術者の参考となれば幸いです。
(編集担当:川相 章)
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特集/推進技術「下水道展’09東京」の見どころ
日本下水道協会主催の『循環のみちを拓く〜下水道展’09東京』が7月28日(火)から31日(金)まで東京ビッグサイトで開催されます。
下水道展は、下水道事業に関する幅広い分野の最新の技術、機器等を一堂に会し、展示紹介されるものであり、今回は、第1回が開催された1987年から数えて22回目の開催となります。
下水道の建設に関する技術の進展は、この約20年間、目覚ましく、特に、下水道管渠を構築する推進技術においては、曲線施工、長距離推進等著しいものがみられました。
推進工法は、小口径管推進工法、大中口径管推進工法、改築推進工法、立坑築造等の施工技術のみならず、測量技術及び推進管等資材関連の総合的な技術から成り立っています。
下水道展では、参観者にとって、これら多くの技術に関する施工機械や使用材料などの実物などを、直に見ることができるだけでなく、開発に携わった技術者や施工技術者等、専門の技術者と直接話することにより、様々な最新の技術だけでなく普段疑問に感じていることなどに対する情報収集ができる場です。
また、出展者にとっては、自社技術等のプレゼンテーションの絶好の機会であり、対話の中でニーズやシーズを得ることのできる場でもあります。
下水道展の多くの出展ブースを一つずつみて歩くことは大変楽しいものではありますが、多くのブースをみて歩くには大変な時間を要することになります。
このようなことから、本号では、当協会会員の出展した工法、システム、製品等について、その特長、概要を分りやすく紹介するとともに「ここが売り」をコンセプトにまとめています。
本誌が、見学される方のよきガイドとなれば幸いです。
(編集担当:西口公二)
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特集/失敗と発想の転換は発展の母
当協会は昨年、社団法人として設立20周年を迎え節目の年にあたりました。
当協会の歩みとともに推進技術も飛躍的な進歩が図られ 、つい一昔前では困難とされていた様々なことが可能となってきています。
これは、各分野の方々が主にユーザの求めに応えて新技術の開発や改良を重ね、難問を次々と克服してきた結果によるものです。
技術進展のカテゴリも様々で、超大(極小)口径や複合断面などの「断面形状」に関するものから 、超長距離、複合急曲線、大深度や小土被りなどの「施工線形」に関するものなどのほか、「立坑構築技術」や滑材・裏込め注入、計測技術などの「周辺技術」を含めると実にバラエティに富んでいます。
しかし、どの技術や製品をとってもここに至るまでには、当時としては無謀とも思える発想に対する、たゆまない先人達のチャレンジ精神と、試行錯誤の積み重ねの結果であることを忘れてはならないと思っています。
本特集では『失敗と発想の転換は発展の母』をコンセプトに 、現在供用されている推進工法における多分野わたる製品、先端技術やシステムを、開発時点(原点)から今日に至るまでのプロセスに光を当て、際立たせることによって技術や製品の理解度がいっそう高まり 、推進工法の素晴らしさを、自治体や設計コンサルタントの職員に知って頂くことを期待して企画を行いました。
従って 、単なる製品やシステムの特長(優位性)の紹介に留まらず 、改良を重ねた結果、既に原型を留めていないもについては? 「原型が何であったか 」 、あるいは開発(改良)に当って? 「どのような課題と向き合い 」これらをクリアして来たかなどと併せて、さらに? 「今後目指す方向性(目標) 」に言及していただいております。
(編集担当:阿部勝男)
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特集/工事周辺環境に配慮した計画設計と施工計画
推進工法は非開削の利点を生かし、管渠敷設工法としてこれまで中心的な役割を果たしてきました。しかしどのような条件下でも近隣住民や交通車両などに対して全く影響がないかと言えばそうではありません。影響を及ぼさないために、工事計画段階で、事前の調査や関係機関との細かい協議や調整が極めて重要になります。
今回の特集では、推進工事を計画設計し、また実際に施工する施工者が、工事を安全裏に進めるために、道路管理者、警察署、学校、病院、商店そして近隣住民や交通車両などに対して、事前にどのような姿勢で取り組んでいるのか、以外と知られていない関係者の努力とその実態に迫りたいと思います。
道路下に管渠を敷設する推進工法では、近隣住民や交通車両などといった公衆を意識して計画しなければなりません。わが国では平成17年に「品確法」が制定され、企業の施工能力に関して、様々な観点から評価が下されることとなりました。推進工事においては、発注者が求める工事目的物の性能、機能を実現するためには、より高度な施工技術が求められていますが、それにもまして、周辺環境に配慮した工事とならなければなりません。そこで大切なのが、発注者と施工者の意思疎通です。発注者が工事関係者以外の方々に対して抱く安全意識と施工者のそれとでズレがあっては、思わぬトラブルを招くことになります。
今回の特集では、まず発注者は計画設計に際して、工事周辺環境にどのような配慮で取り組んでいるか。入札方式が異なる場合、特に総合評価方式の場合に施工者に期待するものは何か。そして、施工者の方々は、発注者の意思をどう受け取り、事前の計画にどのようにそれを反映させようとしているか、工事開始前の知られていない発注者や施工者の努力について知っていただければと思います。また、実際に工事の着手時点で、計画の見直しを余儀なくされることもあるはずです。それについては、その原因と対応策などについて触れたいと思います。
(編集担当:川相 章)
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特集/環境に配慮した掘削添加材
これまで推進工法に関する技術開発は、著しい発展を遂げてきました。その間も社会環境の変化に伴う数々の問題をクリアーしてきましたが、今後は環境問題も含め、さらに厳しくなってきます。推進工法の技術革新の影に材料の開発が大きく寄与してきたと思います。これまで以上に性能がよくて、環境にやさしい推進材料の開発が望まれております。
推進工法用材料には、滑材・掘削添加材・裏込剤等ありますが、要求性能はそれぞれ違います。作業現場は材料の置き場も取れないような状況にあり、材料は全て少量コンパクトで扱いが簡単なものになってきておりますが、このことも環境に配慮しております。
少量コンパクトにすることにより輸送時の排ガスの減少、掘削添加材の作液時の粉塵の発生を少なくし作業現場周辺の洗濯物の汚れ防止及び粉塵発生の減少に寄与しておりますし、重量物を無くすことによる労働条件の改善にもなります。
また、掘削添加材は、掘削土と一緒にほとんど回収されますが、一部は土中に残ります。
環境衛生面から、掘削添加材の安全性が要求されます。基本的に、推進材料に毒性のあるものは配合されませんが、少量では影響のないものも多量になると水中生物の呼吸阻害を起こしたり、いろいろな問題が発生いたします。また、カチオン系の物質は魚のえらに付着するため、海水現場以外では使用してはならないとの報告もあります。水中生物への影響を考慮した場合、掘削添加材に「ヒメダカ」試験の義務化が必要と思います。
性能が良くて、環境にもやさしい推進材料の開発は、信頼のある推進工法の確立に役立つものと考えます。
(編集担当:守屋 良)
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特集/極限に挑む、推進測量
推進工事は、立坑から構造体を順次推し進めて地中に管路を築造するものです。そのため推進管内には基準点を設置することができません。この工事の測量で、直線施工の場合は立坑からのレーザ照射による測量方法が有効です。しかし長距離推進や曲線推進での通常測量は、常に立坑の基準点からの開放トラバース方式となり、管内に設置した複数台の測量機を繋げる測量が行なわれます。また立坑にしか設置できない基準点は、バックが短くフォアがそれの数倍、時には100倍にもなる測量を強いられ、精度確保に大きな障害となっています。そのため1管毎や半管毎に測量が行なわれ、作業回数が非常に多くなるのです。これを人力で行なうには、狭く長い空間での作業となり非常な苦渋作業になっています。
以上の結果、推進工事の測量には自動化が求められ、現在いろいろなタイプの自動測量システムが考案され現場で実施されています。それらは通常の測量機を使用するもの、掘削機に測量用のユニットを配したもの、特別な設備を要するもの等があり、それぞれに一長一短があります。また小口径管推進は施工法との関係が非常に深く、掘削マシン・管内設備とのセットで測量方法が開発されることが多くなります。
推進工事を施工するにあたり、測量は必要不可欠なものであるのですが、工法の特殊性ゆえ難しい技術のひとつとなっているのです。この特集では単なる測量方法の紹介、事例の発表にとどまらず、その測量方法が抱えている長所・短所をはっきりさせることが狙いです。またその測量システムの品質を維持するための取り組みについても触れられれば幸いです。
(編集担当:稲葉 富男)
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特集/大土被りに挑む
今月号の特集テーマは、「大土被りに挑む」です。
9月号で「小土被りに挑む」を特集しました。そこで土被りの大小における区分けとして、一般的な例えとして、小土被りでは開削工事、大土被りではシールド工事、その中間の土被りでは推進工事との選定が一般的に行われてきたと記述しました。しかし、小土被りでも推進工法は、多くの現場で採用され、安全な施工に対し挑戦していることが紹介できました。そして前回の小土被りでの挑戦で大土被り施工を特集しないのかとの意見を頂き、本特集を企画しました。今月号の特集は「大土被りに挑む」です。
近年都市部では、ライフラインが充実し道路地下には上下水道、ガス、電気、電気通信等のトンネルや管渠が多数埋設されています。このため新たに埋設される管路等はそれらを避けて建設せざるを得ず、徐々にその深度が深くなっています。そして、大土被りでは立坑築造費が重要なコスト比較の要因となるため、長距離施工や曲線施工ができるシールド工事が主流とされていました。しかし近年、推進も大中口径において超長距離や急曲線施工が十分可能となっていることから、土被りが深いところでも推進工法は適用可能と判断され利用されることが多くなっています。そして、その需要も増えるとともに更なる技術進歩が期待されています。また小口径管推進においても、様々な地下インフラに利用されていますが、それらに適用する場合は、大方は大土被り施工であり、大土被り施工の対応が求められています。
しかし施工技術の観点で考えると、口径の大きさで必要とする技術が大きく異なるため、解決すべき課題は多々あります。まさにこれは推進工法におけるチャレンジであり、下水道の普及に努めてきた推進技術は、それらを克服し、大土被り施工に適用可能となることで、今後の地下インフラに活用される技術であると考えられます。
本編では、「小土被りに挑む」同様に?発注者から計画論と施工例における施工後の評価、?設計を担当したコンサルタントから推進工法選定の根拠や考え方を示して頂き、?施工者からは、大土被りに対する施工例や施工対応技術について、また、?管材メーカから機能と特性について紹介します。そして大土被り施工で推進工法は今以上に需要を創り出せるのか、そのために必要な技術は何であるのかを探る手掛かりとなることが本特集の狙いです。
(編集担当:佐藤 徹)
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特集/我が推進技術、海外飛躍への道筋を探る
『月刊推進技術』ご愛読者の皆様、新年明けましておめでとうございます。今年、平成21年(丑年)が牛に因み、皆様にとって、目指す目標に向け力強く前進する年になりますよう、最新かつ有益な推進関連技術情報をお送りいたします。
さて、今月号は、我が国で高度に培われた推進技術を、如何にそれを求める海外市場に売り込むか、その展望と心構えを探ります。
今日、国際グローバル化のスピードが一段と増し、人、金、物、情報・技術などが世界の需要と供給に応じ、いとも簡単、自由に国境を越え、移り渡る時代を迎えています。推進関連業界においても、近年、中国本土、台湾、韓国、さらにはシンガポールやベトナム、インドなどに、我が国の推進用掘進機が輸出され、あるいは推進施工部隊が直接それらの国々に乗り込んだ事例が報告されています。この流れは止まることを知らず、今後、大きくかつ強く成長するに違いありません。 近年、閉塞感が漂う我が国の推進業界からは、気持ちはすでに海外へ向かれている企業、関係者も多いはずです。ただ、海外市場の実態や今後の動向、さらには進出のための準備、検討事項など、十分な情報が得られていないのが実情ではないでしょうか。
今月号は、新年号と言うこともあり、我が国の推進技術の海外進出に向け、明るくかつ力強く前進できるよう、これらに関する情報をできる限り多方面から、また、様々な切り口から集めることといたしました。海外主要都市における下水道整備の現状と展望、海外進出推進工事の経緯、実態と留意事項、推進用掘進機、推進用管材の現況と需要、等々について最新かつ詳細な情報を集めました。海外進出を意図される企業、関係者とって、その検討の一助になれば幸いです。
(編集担当:石川和秀)
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